リファラル採用は、自社の社員や知人など信頼できる人から人材を紹介してもらう採用手法です。メルカリやセールスフォースも採用の5割はリファラル経由であり、多くの企業がリファラル採用に注力しています。実は代表森数の前職の株式会社ミライフ(以下、ミライフ)は在籍当時、半分以上がリファラル採用による入社でした。
今回は、創業期から社員数10~20人くらいでぶつかる採用の壁とリファラル採用文化を定着させていくポイントをご紹介します。
創業期、採用活動が本格化した時にぶつかる壁
事業のフェーズごとに適切な採用手法は変わります。創業期はリファラル採用で人を増やすことが多いと思います。しかし、伝手も有限であるため、リファラル採用の次の施策として求人媒体の活用を始める会社が大半です。スタートアップの場合、ランニングコストがあまりかからない媒体を選択するケースが多いのですが、ここから悩みが二手にわかれます。
採用要件のミニマムラインが高い
創業期は優秀な人が集まったため、採用要件が非常に高くなっている点です。要件が高いため、自社にフィットする人が採用できないという悩みが生まれます。
過去に森数も同じ問題に遭遇しました。スタートアップは、最初は野武士のような能力の高い人材が集まりやすくなります。そのため、「今いる人たちぐらいの能力を持った人を採用したい」という要件が設定されがちです。慢性的な人手不足により、教育する時間が取れず、経験者しか受け入れられないことも理由の一つです。
現実的なラインで採用を進めるには、事業計画と採用市場に関する知識が不可欠です。事業計画を立てる際、以下のことを考えることがポイントです。
■事業計画を立てる際に考えるべきポイント
事業計画を引いたその先、未来の組織ってどうなってるか?どうあるべきか?
社内の今いるメンバーはどうなってるか?
採用で解決する課題はどこで、そのためにどんな人が必要なのか?
考えた要件で採用ができなかった場合、採用の時期をずらすのか?時期を優先して、人を採ることを優先するのか?
採用活動のリソース不足
ランニングコストがあまりかからない媒体は、自分達で運用が必要な媒体です。つまり、手がかかります。適切な媒体を選ぶために下調べをし、複数の媒体社の営業の話を聞き、ようやく契約に漕ぎつけます。その後、求人原稿のベースを考え、公開したら応募者のスクリーニング、候補者対応や日程調整業務がスタート。
創業期は、兼務で対応しているケースがほとんどです。人事担当者が不在のため、採用活動に集中する時間はありません。媒体ごとに結果が出る運用方法は違いますし、運用し続けることが大変です。
このように、創業期からの採用活動はいくつも分岐があります。出会う課題への解決策も適切な採用手法も企業フェーズによって異なります。そんな中確実に一つ言えることがあります。それは、採用媒体や転職エージェントを活用するようになったとしても、リファラル採用は組織の文化として根付かせておくことです。
リファラル採用の大前提
リファラル採用は社員の知り合いを誘う行為です。紹介する側の社員が「いい会社だな」「仕事が楽しい」と思っていないと声をかけようとは思いません。
「インセンティブを払えば社員からのリファラルの推薦が増えるのでは?」という相談を受けることがあります。でも、そもそもいい会社だと社員が思っていないと、効果は薄いのが実情です。インセンティブが発生することによって、逆に良い結果に繋がらない可能性の方が高いといえます。
もし、リファラル採用がうまくいっていない場合は、根本的な課題を解決するべきです。つまり、従業員エンゲージメント(※)を高めることです。採用成功を導くポイントは、現場との協力体制であることに間違いありません。「採用をお願いする」というより、「採用に協力したい」という当事者意識を持ってもらえるような組織やカルチャーづくりが肝要です。
(※)従業員エンゲージメント:従業員が会社の価値観や理念に共感し、会社に愛着や共感を持ち自発的に貢献したいと思う意欲。
リファラル採用を促進するためのポイント
リファラル採用に積極的なことを社員にアピール
「もう伝手が尽きたから難しい」と判断するのは時期尚早かもしれません。そもそも、現場の社員が募集職種や求める人物像について知らないこともあるためです。人事からアナウンスをしていたとしても、「伝え足りない」「伝わっていない」と思っていた方がいいです。
まずは紹介してくれる人に注力してお願いするところから始めましょう。ただ紹介して欲しいと頼むだけではなく、面談や雑談な度を通じて地道に聞き続けましょう。「言い続けること」が意外と大事です。
採用に至らなかった場合のケアまで抜かりなく
リファラル採用には「気まずい思いをしたくないから紹介できない」という社員の負担を減らす施策が必要です。
例えば、必ず最初はカジュアルな場をセットして、互いのフィット感を確認し、期待値調整をするという手もあります。選考上でご縁がなかった場合、選考者と紹介者の関係性を壊さないための配慮を施策として作るベンチャー企業もあります。
(例)紹介者と紹介された人が一緒に食事に行ける制度
人や会社の”器の大きさ”は物事がうまくいかない時にほど露呈します。もし、自社にご縁がなかったとしても、口コミやSNSで業界内に広まることも往々にしてあります。また、将来再会を果たし、頼もしい仲間になる可能性も0ではありません。採用に至らなくとも、紹介者と紹介してもらった人には礼儀を尽くしましょう。特に紹介者の心のケアを重点的に行うべきでもあります。
【事例】リファラルへのメンタルブロック要素を排除
これは森数が過去に働いていたエンジニア組織での事例です。人見知りな社員が多く、リファラル採用に協力したくても「どうやって誘ったらいいかわからない」「自分から誘うのは勇気がいる…」という心理がブレーキをかけていました。
そこで、社員の知人に配布できる招待券(いつでもオフィスに遊びにきてくださいやランチ奢りますという内容)を複数パターン用意。社員が「うちに合いそう」と思った人に招待券を渡せるようにしました。やってもらうことをシンプルにしたことにより、名刺作成は見事成功。採用の成果を出すことができました。
他にも、勉強会、ランチ会など何かしらのイベントを企画。社員の知人に直に自社のカルチャーを体験してもらう場を設けました。このように、社員の負担を減らし、認知度向上施策を実施することもお勧めです。
アンバサダーとして社外へ発信
最後にやっていただきたいことは、会社について積極的に外に発信することです。SNSやnoteなどで継続的に発信することで、認知度を高めていけます。社員がいざ知人に会社を勧めようとする時にも「こんな会社だよ」と紹介しやすくなります。また、認知度が高まり、会社の魅力が広まれば、社員の知人の方から「あなたの会社を紹介して欲しい」と連絡があるかもしれません。
ただし社外に発信する前に「自分達は何者か」を言語化し、浸透させることも大切です。自分達の価値観が言語化されていないと、発信内容に説得力がこもりません。インナーブランディング(※)の重要性を認識し、自社らしさを育んでいくことが大切です。
(※)インナーブランディング:社内に向け理念やブランド価値、文化について浸透させる取り組み。
また、社内の共通言語や採用の目線合わせには採用広報を取り入れることも効果的です。ユアパトが取り組み、社内広報としての効果も発揮した事例記事もぜひご覧ください。
まとめ
採用は、これから一緒に働く人に向けての活動ですが、今いる社員にも向き合い、組織活性を上げる取り組みでもあります。インセンティブなど外発的な動機は長続きしません。リファラル採用文化を根付かせるには「紹介したい」と社員が思える組織を育むことが不可欠です。
もし、「リファラル採用を促進したい」という思うなら、ぜひユアパトにご相談ください。


