この記事は2022年3月9日に弊社森数がVoicyでお話した#6 「どんな人を採用しよう?」から考えると失敗するという話を元に記事化したものです。
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失敗する採用要件の決め方
個人の方が転職活動をする時に「どんな会社、どんな仕事にしようか」と考えるのと同様に企業も採用する時は「どんな人を採用しよう?」とまず考えます。この時、「どんな人を採用しよう?」から考えると大抵失敗します。
「こんな人がいいな」「あんな人がいいな」を積み上げていくと、結局スーパーマンを追いかけることになるからです。ですから、「どんな人を採用しよう?」ではなく、「採用で解決したい課題は何か?」を考えるところから始めることが大切です。
採用要件を決めるポイント3つ
採用要件を決める際には、以下3つのポイントを踏まえましょう。
1. 採用で解決したい問題は何か、課題は何か(採用背景、理由)
2. どんな人と働きたいか(必要なスキル、人物像)
3. 応募者が入社したらどんないいことがあるのか(自社が提供できる価値)
そして、上記ポイントを考慮して採用のペルソナ(※)を決めます。
「求人票を作るなら2つ目の要件まで考えればいいのでは?」と思うかもしれませんが、3つ目の要件が明文化されないと、採用活動が苦戦することになります。採用成功を手繰り寄せる上で自社の提供価値を考えることは、とても重要なファクターとなります。マーケティングの考え方に少し似てますが、ニーズが合わない人にいくらプッシュしても良い結果にはなりません。ターゲットとなる人材の動機になるものは何かを自社の中で探し、なければ作る、もしくは、要件を見直すことが必要になってきます。
(※)ペルソナ:応募者の具体的な人物像(性別や年齢層だけでなく、生い立ちや学歴、職歴、年収、ライフスタイル、家族構成、趣味嗜好、特技、価値観)
採用活動を始める前に考えておきたいこと
採用活動を始めたり、採用要件を見直す前に考えて欲しいことがあります。
今いるメンバーの可能性を探る
ズバリ、今いる社内の人に目を向けましたか?採用する人に任せたいと思っている役割や仕事内容を今社内にいる人でお任せできる人は本当にいないのでしょうか?
よく、マネージャーポジションの採用を外部人材で充足させようとするケースを見かけます。リーダーもしくはリーダー的な役割を担っている方でマネージャー要素がある人、マネージャーができそうな適性がある人、抜擢できそうな人が本当にいないのか自社内の可能性を探るアクションは、組織づくりの大切な手段の一つです。
全て採用で解決しないといけないわけではないですし、全て採用で解決できるものでもありません。今いるメンバーも含めて、事業課題や組織課題を解決するために、どうすべきかを考えることで組織完成度を高めていけます。
その仕事、本当に一人で担当しなくてはいけない仕事?
募集ポジションの方に任せる業務は、その人だけで対応できないといけないのでしょうか?1人ではなく採用人数を2人にしたり、業務を細分化し他の人に振り分けることで採用要件を絞り、課題を解決するという考え方です。
仮に、人事で採用も労務も教育も制度構築もマネジメントもできる人を採用したいとなったとします。優秀な人材は希少かつ、どの会社も採用したいと思っているため、競争率は高まります。そこで、改めて考えていただきたいことは、ポジションや業務を分割することです。
例えば、採用と労務を任せられる人、教育と制度を任せられる人を1人ずつ採用するのはいかがでしょうか?他にも、労務は顧問社労士事務所とクラウドツールで効率化を図り、採用はアウトソーサーと契約しメイン業務から外し、教育と制度設計面で強い人材を採用するというのもアリなのではないでしょうか。採用で解決したい課題(任せたい業務)を俯瞰し、細分化することで強い組織づくりのヒントを見つけられるかもしれません。
まとめ
採用は手段の一つではありますが、全ての課題を解決してくれる魔法ではありません。事業を前に進めて組織を強くするためには、柔軟な視点を持ち、必要に応じて仲間を集めていくことが大切です。事業と組織は両輪、どちらかだけではなく、一緒に進めると良い結果になると思います。