「採用の正解がわからない」「採用チームをつくりたいけど育成できる人がいない」。そんな方にこそ、ご覧になっていただきたい記事です。今回は株式会社タノム様(以下、タノム様)の採用支援の事例を元に、採用成功のコツを担当の佐藤 美夏にインタビューしました!タノム様から見た支援事例の記事もぜひご確認ください。

採用戦略の立案から実務サポートまで一貫した支援体制

タノム様では以下の範囲でご支援をしています。

1. 採用に関する以下の業
戦略立案・プランニング
母集団形成(媒体選定、媒体運用、求人作成、ダイレクトリクルーティング、エージェント対応)
応募者対応
カジュアル面談(月10件まで)
実績管理および更新
2. 協議にて定められた業務

タノム様の採用プロジェクトを始めて数ヶ月後には会社情報をまとめたNotion(候補者に送付するための)のアップデートやスカウトを送る職種数を増やしてほしいというご依頼をいただき、組織の状況に応じた支援を行っています。もちろん、採用成功のためにどこに注力するかは変わりますので、実際の支援の際にはご相談ください。

サービス品質とスピードの両立を目指した初動

まずは現状把握から行います。活用している求人媒体の内容や数値をチェックし、求人媒体や求人原稿が適しているか、情報が揃っているかなども確認しました。掲載されている求人もあれば掲載されていない求人もあったため、求人内容の認識を合わせながら、求人の要件定義とアップデートを行いました。タノム様が利用していた媒体とご依頼いただいた職種は以下の通りです。

■利用媒体
・自社サイト
・Wantedly
・Green
※利用媒体に活用の余地があったため、まずは現状の媒体を運用することになりました。運用の成果によっては新たな媒体を選定・提案するように動いていきます。
■立ち上げ当初のご依頼職種
・フィールドセールス
・バックオフィス
・QAエンジニア
※後にご依頼いただく職種が増えていきました。

スピードとサービス品質の両立を重視し、媒体にログインが確認できた次の日には不足していた求人をつくり、確認依頼→公開を実現しました。求人原稿に正解はないため、媒体運用のスピードを上げることでよりよい内容に早く近づくのです。

意外とオペレーションが体系化されていない企業が多いのですが、候補者体験を損なわないためにも、仕組み作りは重要です。日程調整などの各種テンプレートもこの段階でつくりました。求人をアップデートした結果、応募者が増えたので、次に、効果的な媒体運用と基準の擦り合わせを行いました。

■取り組んだこと
・Greenの「気になる」の運用(求人に候補者から「気になる」をくれた人のチェックなど)
※Greenには企業側と登録者側が双方「気になる」を送り合うことでやり取りができる機能が搭載されています。
・書類選考を元に基準のすり合わせをし、応募者の書類選考
・Wantedlyでマッチする候補者を探しスカウトを送付して良いかを担当者に確認後スカウトを送付
・既存エージェントの運用(対象者をエージェントが探して提案してくれるので書類選考を実施)
・新規エージェントの開拓

ペルソナイメージの明確化で選考基準の精度向上

「営業経験3年」「総務経験1年」といった形式的な経験ではなく、実際にどのようなことができる人が必要かを深掘りしていました。言われた内容だけで判断するのではなく、noteの記事やこれまで公開されている情報なども参考にし、自分なりに書類選考基準を定義し、ペルソナを具体化していました。

最初から自社に合う人材を正しく言語化するのは難しいので、面談や面接後のフィードバックも細かくとりにいき、自分のイメージとの齟齬を確認することも抜かりなく行っていました。この作業を繰り返し、イメージの精度を高めていくことで、書類選考をお任せいただけるようになりました。

約8ヶ月で7名の入社が決定

2月から採用のプロジェクトを開始し、その月には内定フェーズまで進む候補者も現れました。支援開始から3ヶ月が経過する頃には内定3名と続々と入社者が決まり、9月時点では7名の入社が決定しました。

成果を呼び込んだ3つの取り組み

採用活動全般に広く関わっていますが、主に以下の3つが成果に繋がったのではないかと思います。

1. 媒体の効果的な運用(例:Greenの「気になる」機能の活用)
2. エージェントの強みと募集ポジションの親和性の把握
3. エージェントと定期的な振り返りMTGの実施

1. Greenの「気になる」機能の活用

Greenは「気になる」というアクションをすることで、媒体登録者にアプローチをすることができます。スカウトよりもライトに、求人に気づいてもらうことができる機能です。

求人の特性を踏まえマッチする候補者に「気になる」をこまめに送付していました。加えて、応募者からの「気になる」を見落とさないよう注意を払い、合う方にはこちらからもスカウトを送るようにしていました。

また、Greenは更新することで、掲載順位に影響が出るため、定期的な更新によって応募者の増加も見込めます。受け取る媒体がPCかスマホかによって、スカウトを受け取るユーザー側から見える項目も変わるため、その点も加味し、求人媒体とスカウト文面のブラッシュアップを行いました。(※)

※このブラッシュアップでスカウト開封率が13%→29%にアップした事例も!

さらに、管理画面の求人一覧で、フィルタリングできるよう設定し、業務の効率化も図っていました。

2. エージェントの強みと募集ポジションの親和性の把握

エージェントによって得意な業界・職種が異なるため、一辺倒にたくさんのエージェントに候補者の紹介依頼をするのではなく、まずはエージェントと打ち合わせを行い、登録者の傾向やそのエージェントの強みをヒアリングしていました。フィットする候補者を紹介してもらえる目処が立った場合に、クライアントに推奨し契約を進めるようにしています。エージェントと同様に、利用する求人媒体についてもユアパトが媒体社と打合せをし、最適な媒体のみ提案しています。

ユアパト側でエージェントや媒体社の打合せを一手に引き受けることで、クライアントの工数を削減し、採用支援の知識を活かして、サービスのメリット・デメリットをまとめ、提案できることもユアパトの強みといえます。

3. エージェントと定期的な振り返りMTGの実施

エージェントは契約しただけでは候補者を紹介してくれません。「こういう人を紹介すればいいんだ」と具体的なイメージを持ってもらうことで、マッチする方を紹介してもらえます。そのため、書類通過した方や内定者の傾向を伝えたり、エージェント側のAIによる自動アプローチ設定を共に見直していました。

特に面接評価の高い候補者については、より綿密にコミュニケーションを取り候補者の心象に配慮した行動を心がけ、エージェントとタノム様の橋渡しをしたことも入社者を増やせた理由だと思います。

神は細部に宿る!採用成功を手繰り寄せる愚直なアクション

先ほどの3つのポイントに加え、作業として応募者対応や媒体運用やスカウト送信をするだけではなく、常に「もっと魅力を伝えることはできないか」「採用成功のためにできることはないか」を探し、定期的にスカウト文面や求人原稿のアップデートを行いました。時には、候補者にヒアリングして得た会社の客観的な魅力なども盛り込みました。

選考途中に辞退があった場合も、辞退理由を求人原稿やスカウト文面に活かすなど、粘り強くチューニングを行い続けました。

試行錯誤と振り返りで成功を掴んだ採用成功の実践事例

QAエンジニアの母集団形成やスカウトに苦戦しました。一人目となる大切なポジションであったことも相まって、当初募集要件が高く設定されていて、対象者がほとんどいない状態でした。そこで、募集要件そのままの人材1名を追い求めるのではなく、求められる要件を分解し、ペルソナを複数つくった上で候補者を探すようにしました。

目線合わせを重ねるうちにチームとコミュニケーションが取れて、テストを網羅的に行い、自走できる人であれば活躍できる可能性があることに気づきました。そこで目線を変えて候補者を探しました。

こうしたアクションを取るうちに最終選考に進む方も現れてきましたが、どの会社も求める優秀な方であったため、他社比較の結果、採用成功にならないケースもありました。それでも諦めず、一つひとつの事例の振り返りを必ず行い、仮説を立てて検証を繰り返すことで、Green経由で無事内定承諾となりました。

採用市場や職種についての理解や知見があることに加え、得られる結果を何一つ無駄にせず思考と試行を続けた成果といえます。

距離感を大切にした提案スタイルが信頼関係構築の鍵

タノム様からは「こちらの事情や考えを理解し、尊重した上での提案をしていただけたことが、信頼関係を構築する上で非常に良かった」「採用を丸投げしたいわけではなかったので、佐藤さんがちょうどいい距離感で歩み寄ってくださったことは、信頼形成に大きく影響しました」という声をいただいています。

強い組織を目指した体制構築をトータル支援

今後も継続して採用支援を行いつつ、組織が成長する過程でぶつかる課題や壁に先んじて解決策を提案し、健全な組織と事業成長を果たせるようワンストップにサポートをしていきます。採用支援もずっと私たちが支える前提ではなく、必要があれば新たな人事担当者を育成したり、ノウハウを伝授したり、自立した強い組織体制の構築を目指します。

まとめ

弊社代表の森数は常日頃から「採用は科学的にアプローチできる分野です」と言っており、これまでの採用ノウハウを惜しみなく提供し、強い事業と組織づくりを支えていきます。「いずれは採用チームを内製化したい」「採用のプロの知見を自社にインストールしたい」といったご希望があれば、ぜひ一度お声がけください。