「優秀な人から辞めていく」「現場と経営がかみ合わない」

そんな目に見えない違和感を抱えたまま、ある日突然、崩壊の引き金が引かれる――。多くのスタートアップや成長企業が直面するリアルです。組織崩壊は、決して突発的に起きるものではありません。日々のささやかなコミュニケーションの不義理や、意思決定のズレが澱(おり)のように積み重なり、気づいた時には手遅れになっているのです。

本記事では、数々の組織課題と対峙してきたユアパト代表の森数が、採用支援の現場で実際に目撃した「組織崩壊のリアルな兆候」を徹底解説。一見うまく回っているように見えるチームに潜む“3つの罠”を解き明かします。「もしかしたら、自社も……?」そんな危機感を持って、ぜひ最後までチェックしてみてください。

組織崩壊が起こる理由とは?

退職が立て続けに起こる。しかも優秀な人から辞めていくという現場を目撃したことがある方も多いと思います。前提、全ての退職が悪いわけではありません。ただ、今回のテーマは組織崩壊となるため、崩壊をもたらす退職という観点でお話していきます。

組織崩壊する原因も会社によって異なります。ただ、コミュニケーション不全が原因となるケースが多いよう見受けます。代表的なものは以下3つです。

  •   誤った心理的安全性
  • 「言わなくてもわかる」という誤解
  •   経営と現場の認識ズレ

コミュニケーション不全はあくまで組織崩壊の序章です。第1段階、第2段階と段階が進み、取り返しがつかない事態になる前に改善していくことが大切です。

引用:ジム・コリンズ / 山岡洋一『ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階』日経BP

組織崩壊を引き起こす原因3つ

原因①誤った心理的安全性

組織崩壊を招く誤った心理的安全性には、「仲良しの強要」「言いたい放題」「同調圧力による沈黙」という3つの代表的な事例があります。

メンバーの仲が良いのは好ましいことですが、過度な仲良しコミュニティは「不都合な意見を言いにくい空気」や、中途参入者への疎外感を生みます。また、率直に意見を言うことと、配慮を欠いた「言いたい放題」は別物です。感情をぶつけ合うのではなく、お互いへの配慮を持った上で、建設的な意見の対立(ヘルシーコンフリクト)が起こる状態こそが、真の心理的安全性です。

さらに危険なのが、同調圧力によって違和感や反対意見が潰されるケースです。例えば、組織のモメンタム(成長への勢い・空気)を強要するあまり、冷静な懸念やリスクの指摘を「やる気がない」と否定してしまう雰囲気です。これでは問題への事前対策が打てなくなり、組織は衰退へと向かいます。反対意見は、視点を増やし事業をより良い方向へ導くための貴重な資産です。

心理的安全性が高い状態とは、チームパフォーマンスが最大化される状態を指します。馴れ合いや同調を排し、異なる意見や懸念も恐れずに発言・受容できる職場環境を築くことこそが、組織崩壊を防ぐ鍵となります。

心理的安全性について以下のnoteでも紹介していますので気になる方は是非ご覧ください。

心理的安全性で誤解されがちあるある

原因②「言わなくてもわかる」という誤解

経営者から「メンバーのパフォーマンスが低い」「マネジメントが機能していない」という相談を多く受けます。しかし詳しく聞くと、目指すべき状態や目標とのギャップについて、本人と全く対話ができていないケースがほとんどです。

「プロなのだから言わなくてもわかるはず」という思い込みは、組織崩壊の大きな原因となります。立場や経験が違えば、見えている景色も異なります。特に主要株主である経営者とメンバーでは、視座も責任の範囲も、仕事への熱量も違って当然です。自分と同じ感覚で「これくらいできるだろう」と判断し、前提を揃えないまま業務を任せれば、現場のパンクや意識の乖離を招きます。

自分の意見は言葉にしなければ伝わりません。目標未達の原因が実力不足なのか、単なる認識のズレなのかを確認するためにも、粘り強いコミュニケーションが不可欠です。

「言わなくてもわかる」は幻想だと心得ましょう。「人はそれぞれ違う」という前提に立ち、「いつまでに、どのような状態を目指すのか」を丁寧に擦り合わせることが重要です。これは相手に期待しないことではなく、異なる個体が同じ方向を向くための不可欠なプロセスです。「言わなくてもわかる」という甘えを捨て、共通認識を築く努力こそが、組織を健全に保つ鍵となります。

原因③経営と現場の認識ズレ

経営陣の言動がブレていないにもかかわらず、社員から「言っていることとやっていることが違う」と誤解されてしまうケースがあります。

例えば、掲げたビジョンに向かう道中で、一見遠回りに見える施策や、泥臭いステップを踏まなければならない局面があります。スタートアップでは、経営陣が必死に議論を重ねて意思決定を下します。でも、その「思考のプロセス」は現場からは見えません。そのため、結果だけが突然降りてきたような感覚に陥ります。「なぜ今これをやるのか」「ビジョンと矛盾しているのではないか」という不信感に繋がりやすいのです。

この認識ズレを防ぐには、経営側の「説明責任」だけでなく、メンバー側の「質問責任」も不可欠です。経営陣は決定に至る背景やプロセスを丁寧に開示。メンバーは疑問や違和感があれば抱え込まずに問いかける。この双方向のコミュニケーションを怠ると、現場のエンゲージメントは急激に低下し、組織崩壊への歩みが加速します。

どんなに良好な組織であっても、社員数が増え、事業フェーズが変われば必ずこの“揺らぎ”は発生します。だからこそ、互いが責任を持ってコミュニケーションをとり、認識のズレを埋め続ける仕組みが必要なのです。

社員と経営のスレ違いについて紹介しているnoteもあるので、ご興味ある方はチェックしてみてください。

悲しいほどに経営と現場はすれちがってる 〜すれ違いにはパターンがある

まとめ

組織崩壊を「対岸の火事」として捉えず、「自社でもいつか起こり得るもの」という危機感を持つことが重要です。その上で、経営陣もメンバーも諦めず、粘り強くコミュニケーションを重ねる。認識のズレを埋め続けることが、強固な組織を作る唯一の道です。

ユアパトでは、経営と現場の間に生じる認識のズレを丁寧に解きほぐし、組織の「つくる・つたわる・かわる」を一気通貫で支援しています。

「組織の違和感はあるが、何から手をつければいいか分からない」「自社の組織状態を客観的に診断してほしい」

そんな不安や課題をお持ちの方は、まずは一度、お気軽にご相談ください。貴社に寄り添い、健全な組織への変革をサポートします。